中小企業診断士の試験制度

中小企業診断士の試験制度

中小企業診断士は1次試験、2次試験があり、他の資格にくらべて少し試験制度が複雑です。

 

この記事では、中小企業診断士の試験制度について、科目や出題形式、試験スケジュールといった、試験の基本的な内容についてわかりやすく紹介します。

 

中小企業診断士1次試験の概要

第1次試験は、中小企業診断士となるのに必要な学識を有するかどうかを判定するために実施される試験です。

 

わかりやすくいうと、経営全般に関する基礎知識をもっているかを判定する試験です。

 

1次試験科目

1次科目試験時間配点
経済学・経済政策60分100点
財務・会計60分100点
企業経営理論60分100点
運営管理90分100点
経営法務60分100点
経営情報システム60分100点
中小企業経営・政策90分100点

 

出題形式は、四肢択一のマークシート式です。1次試験では電卓の使用は禁止されています。各科目の勉強方法については、以下記事を参考にしてください。

 

 

1次試験スケジュール概要

5月受験申込受付期間
7月上旬受験票・写真票の発送
8月上旬試験日(2日間)
9月上旬1次試験合格発表

※2020年は東京オリンピックの混雑回避のため7月に実施

 

1次試験の実施地区

札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、那覇の8地区で実施されます。

 

受験申込書に、希望する受験地区を記入して自分自身で選べます。ただし、同一地区でも試験会場が複数ある場合がありますが、地区の中での試験会場は選ぶことができません。

 

1次試験の受験料

13,000円

 

1次試験の受験資格

1次試験の受験資格は、年齢、学歴等に制限はありません。

 

1次試験の合格基準

  • 第1次試験の合格基準は、総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。
  • 科目合格基準は、満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。

 

1次試験の合格率

約20%
合格率の推移や、資格難易度については、以下記事を参考にしてください。

 

1次試験の特徴

中小企業診断士の1次試験は7科目ととても科目数が多く、受験を躊躇う方も多いのですが、科目合格制度があります。

 

1次試験の合格基準に満たない場合は、60点を超える得点を獲得した科目については科目合格となり、受験した年を含めて3年間受験を免除することができます。

 

つまり、最初の受験から数えて3回受験して、7科目に合格する1次試験合格となります。科目合格制度(科目免除)の詳細については、以下記事を参考にしてください。

 

1次試験に合格すると、その年と翌年、2次試験を受験する権利を得られます

 

 

2次試験(筆記試験)

2次試験は、中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、中小企業の診断及び助言に関する能力を判定するために実施される試験です。

 

2次試験科目

2次科目分野試験時間配点
事例1組織・人事80分100点
事例2マーケティング・流通80分100点
事例3生産・技術80分100点
事例4財務・会計80分100点

 

出題形式は、筆記試験は短答形式および論文形式で、口述試験は面接形式で実施されます。なお、2次試験は電卓の利用が可能です。

 

各科目の勉強方法については、以下記事を参考にしてください。

 

 

2次試験のスケジュール概要

9月上旬受験申込受付期間
10月中旬2次筆記試験
12月上旬口述試験を受ける方の発表日
12月中旬2次口述試験
12月下旬2次試験・合格発表

 

2次試験の実施地区

札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7地区で実施されます。

 

受験申込書に、希望する受験地区を記入して自分自身で選べます。ただし、同一地区でも試験会場が複数ある場合がありますが、地区の中での試験会場は選ぶことができません。

 

2次試験の受験料

17,200円

 

2次試験の受験資格

  • その年の第1次試験合格者
  • 前年の第1次試験合格者

 

2次試験の合格基準

第2次試験の合格基準は、筆記試験における総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満がなく、口述試験における評定が60%以上であることを基準とします。

 

2次試験の合格率

約20%
合格率の推移や、資格難易度については、以下記事を参考にしてください。

 

2次試験の特徴

中小企業診断士の2次試験は短答式・論文式の試験ですが模範解答が公表されないため、どのように試験対策をしたらよいのかわからず対策に困る試験です。

 

また、合格基準をみると1次試験も2次試験もほぼ同じで絶対評価にみえますが、実体としては相対評価の競争試験になっています。

 

口述試験は、当日試験会場で面接すれば合格します。

 

 

 

試験制度まとめ

試験制度をみると、合格までの道のりが長そうにみえるかもしれません。また、1次試験科目の多さ、2次試験の対応のしにくさにより受験を躊躇ったり、途中で断念する方もいるのも事実です。

 

しかし、中小企業診断士の試験は働きながらでも十分に合格を目指せますし、実際ほとんどの受験生は働きながら受験し合格しています。

 

試験勉強をはじめて1年で1次試験合格→2次試験合格とストレート合格を果たす人は極めて少ないですが、コツコツ勉強を続けることができるのであれば、働きながら3年程度で十分合格できますよ。

 

出典:中小企業診断士試験-一般社団法人 中小企業診断協会