独学で中小企業診断士に合格する方法

独学で中小企業診断士に合格する方法

中小企業診断士に興味はあるけれど資格予備校を使うとお金がかかるからどうしよう。

 

できれば独学で合格したいけど、それで合格できるか不安。そう考えている方も多いです。

 

結論からいうと、中小企業診断士試験は独学でも合格できます。でも独学は大変です。

 

だから、「独学合格も無理ではない」と書く方が適切な表現かもしれません。

 

 

この記事を最後まで読んでいただくと、独学で臨むべきか、資格予備校を使うべきか、総合的に判断できるようになります

 

独学で合格できるかできないか

 

中小企業診断士試験の勉強を独学でして、合格できるか、無理か...結論を先に書くと

 

  • 1次試験は独学で合格できる (簡単ではない)
  • 2次試験は独学での合格は難しい (無理ではない)

 

となります。

 

中小企業診断士の試験制度や、1次試験の概要2次試験の概要については知っていることを前提に解説していきます。

 

 

1次試験は独学でも合格できる (簡単ではない)

中小企業診断士の1次試験については、独学でも合格できます。暗記が中心で試験形式がマークシート、答えが明確だからです。

 

もちろん、7科目あり出題範囲が広いため暗記すべき量は多くて大変です。また1次試験は暗記中心ですが、財務会計や経済学などは一部の科目は理解が必要で勉強も大変です。

 

でも、コツコツ勉強して演習問題や過去問を解いていけば独学でも合格できます。一度、本試験問題を見てみましょう。

 

中小企業診断士1次試験の問題サンプル

 

1次試験はマークシート式なので、適切な選択肢または不適切な選択肢を1つ選ぶ形式です。とても対応しやすい試験です。

 

1次試験は6割得点できると合格できますし、もし7科目で6割に届かなくても科目合格制度もあります。

 

受験生の初期知識量と理解力によって必要な勉強時間は異なりますが、勉強時間に比例して、合格に近づく。これが1次試験です。

 

 

 

2次試験は独学での合格は難しい(無理ではない)

中小企業診断士の2次試験については、独学で合格するのは無理ではないですが、かなり難しいといわざるをえません。

 

2次試験は論述式の筆記試験で適当に解答することができません。その上、模範解答が公表されず答えが不明確なため試験対策をしにくいのです。

 

ゆみ

 

もちろん、完全独学で合格する人もいるので、独学合格をが無理といっているわけではありません。


 

一度、本試験問題を見てみましょう。

 

中小企業診断士2次試験の事例文

 

中小企業診断士2次試験の答案用紙

 

こうした問題が、事例1~4まで出題されます。1事例あたり80分です。

 

3000文字程度の与件文が与えられ、約5つの設問に対してすべて論述で回答します。回答には文字数制限があり20文字~400字で書き、合計すると1つの事例で約1000文字程度になります。

 

1次試験とは大きく違い、勉強時間に比例して合格に近づくとはいえないのが、2次試験の大きな特徴です。

 

2次試験は模範解答が公表されないため、正答がわからないのです。

 

たとえるならば、道のない砂漠にコンパスを持たずに出かけるようなものです。勉強している方向性が正しければ勉強に比例して合格に近づきますが、向かっている方向性が間違っていればいつまで経っても合格できません。

 

数か月の勉強で合格する人もいる一方で、10年かかる人もいるのです。これが2次試験です。

 

たく

 

ぼくは、1年ストレート合格で、ほぼ独学で合格できました。ただし、2次試験対策はスポットで添削指導を受けました。


 

ゆみ

 

私の友人は、育児休暇中、主婦をしながら隙間時間に独学で勉強して合格し診断士として復活してたりしました。


 

 

独学で合格する方法

独学で勉強して合格するのが如何に大変か、理解していただいた上で、独学で合格を目指す方法について紹介します。

 

独学ではセルフマネジメントが必要不可欠

 

中小企業診断士試験に独学で合格するには、セルフマネジメントが必要不可欠です。

 

そもそも資格予備校に通えば合格させてくれるわけではありません。受講生が効率的に学習できる手助けや、ペースメーカー的な役割を提供してくれているのです。

 

予備校を使うメリット
  • 効率よく勉強できる環境(カリキュラム)
  • 勉強続けられる環境の提供(モチベーションの維持)
  • 受講料を払ってるから諦めない(勿体ない精神)

 

逆説的に捉えると、こういうことが自分自身で実行して管理(セルフマネジメント)できるのであれば、独学でも合格といえます。

 

ゆみ

 

かんたんそうですが、これがとても難しいのです。


 

では具体的に1次試験対策と2次試験対策にわけて、そのポイントを紹介していきましょう。

 

ちなみに、独学する場合のテキストや参考書は以下の記事にまとめていますので、参考にしてください。

 

 

 

 

1次試験に独学で合格する重要ポイント

1次試験に独学で合格する重要ポイント

 

1次試験対策のポイント
  • インプットとアウトプット(演習)を何度も繰り返す
  • テキストに加えて、問題演習、過去問の解説まで含めて、暗記の対象
  • 過去問が最も重要なインプット教材

 

ざっくりと、この2つです。出題範囲を隅から隅まで万遍なく勉強していては時間がかかり過ぎるため、このやり方が効率がよいのです。

 

資格予備校でも最初に講義がありますが、インプットとアウトプット(演習)を繰り返すように指導されます。

 

勉強する順番

中小企業診断士の1次試験は7科目あります。どの順番で学習した方がよいのかについては「独学するときの順番。効率よく勉強できる順序」で詳しく紹介しているので、ご覧ください。

 

過去問の使い方

過去問は演習教材ではなく、最も重要なインプット教材です。独学で勉強をはじめる前に、なぜ過去問が重要なのか理解しておきましょう。詳しくは「中小企業診断士・過去問の使い方と注意点」で解説しているので、資格試験がはじめての方はご一読ください。

 

インプットとアウトプット繰り返す

インプットとアウトプット(演習)は最低2回、できれば3回転以上を目安としてください。詳しくは「中小企業診断士・一次試験勉強の成長ステップ」の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。

 

 

2次試験に独学で合格する重要ポイント

2次試験に独学で合格する重要ポイント

 

2次試験対策のポイント
  • 設問に対して相手にわかりやすい文章を書く
  • 採点者側に立って、客観的に文章をチェックする

 

ざっくりとこの2つです。

 

2次試験の模範解答は公開されていないため、資格予備校が教える解き方(メソッド)は各社バラバラですが、この2つは絶対に外せません。

 

なぜならば、2次試験の答案用紙は疑似コンサルティングのレポートだからです。

 

  • 与件文は、ヒアリング等で集める企業・業界情報
  • 設問は、クライアントからの質問・相談
  • 答案用紙は、アドバイス・報告書

 

中小企業に限らずビジネスにおいては正解はありません。また調査、決断を下すまでに時間や費用を無限に使えるわけでもありません。

 

コンサルタントに求められるものは、限られた時間、限られた情報の中で、どれだけ正しい方向性を示すことができるのか。です。

 

2次試験ではこうしたコンサルタントとしての能力が試されます。80分以内に、指定された文字数内で、おおよ正しい方向性の内容を、相手にわかりやすく書けるかどうかなのです。

 

具体的に2次試験対策を進めていけばよいのかについては「中小企業診断士・二次試験勉強の成長ステップ」で詳しく紹介しているので、ご覧ください。

 

 

 

独学で受験するか迷ってる方に伝えたいこと

独学で受験するか迷ってる方に伝えたいこと

 

なぜ独学で合格したいのか?

 

その99%は金銭的な問題、残りの1%は講義を受講するよりも自分自身でテキスト・問題演習を進めた方が圧倒的に早いから、です。

 

独学の方が早く勉強できるという方には独学をおすすめします。でも、金銭的な問題で独学でしか考えていない方には再考をおすすめします。

 

  • 独学並みで費用で受講できる通信講座もあるから
  • 極力早く合格して副業等で収入を増やした方が得だから

 

 

理由① 独学並みで費用で受講できる通信講座もある

 

独学は安い。通信講座や資格予備校は高い...そう決めつけていませんか?

 

10年前までは20万円以上する講座しかありませんでしたが、今では5万円程度受講できる通信講座もあります。

 

大手資格予備校の高い受講料がネックとなり独学でを模索していた方が、よく利用するのが「診断士ゼミナール」や「スタディング」です。

 

中小企業診断士専門かつ通信講座に特化した講座で、費用は5万円程度。その受講料で、1次試験対策と2次試験対策ができるため、当サイトでも詳しく紹介しています。
それぞれの講座の特徴や良い点・悪い点は、以下の記事にまとめているので、興味があればご参考ください。

 

 

 

理由② 早く合格して副業で稼いだ方が得

時は金なりいうことわざがありますよね。中小企業診断士試験も、まさにコレなのです。

 

一般的に独学で合格を目指すと費用面では安くなり、勉強期間が長くなります。一方、資格予備校や通信講座を利用すると費用が高くなり勉強期間が短くなります。

 

資格取得の目的や懐事情により、判断が分かれるところですが、「早く合格して副業する」のが最も費用対効果が高いです。

 

代表的な受験生4パターン

 

独学4年で挫折Aさん
独学で4年以上勉強したが2次試験に合格できず途中で挫折。知識量は増えただけだった。

 

独学4年で合格Bさん
独学で4年でなんとか合格できたが、長い受験生活で燃え尽き症候群。合格がゴールとなり達成感で気力がなくなった

 

予備校2年で合格Cさん
通信講座を使い2年で合格し、その後資格を活かして転職。希望の職種につけた上に、年収もあがった。

 

通信2年で合格Dさん
通信講座を利用して2年で合格し、その後副業をはじめた。仕事は変わらないが、実質年収があがった。

 

資格の取得を検討するとき、無意識で目先のお金(≒教材費)に目を向けて判断してしまいがちですが、時間にも大きな価値があるのです。

 

かず

 

時は金なり。合格すれば未来が変わりますぜ。


 

中小企業診断士になってからの年収や副業事情については、「中小企業診断士の年収」の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

 

独学で中小企業診断士を目指す方へ

 

独学なら2~3年勉強する覚悟は必要

通信講座や予備校を利用しても、1度目の受験で合格できる人は全体の2~3%。合格者の多くは約2年~3年かかっています。

 

独学でやってみて、1年目落ちた、2年目落ちた...で諦めたりしないでくださいね。そんなのは普通です。

 

試験の難易度については、「中小企業診断士の難易度」の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。

 

 

 

 

合格すると未来が変わる!

中小企業診断士に合格すると未来が変わります。「未来を変えれるチャンスが増える」という表現の方が適切かもしれませんが、本当に変わります。

 

資格を最大限活かすためにも、「合格はゴールではなく、スタートライン」ということを忘れないようにしましょう。

 

試験に合格したらどのように変わるのかについては、「中小企業診断士の将来性」「中小企業診断士の資格を取るメリット」の記事を参考にしてください。

 

 

ゆみ

 

強い意志を持ち続けて、勉強し続ければ必ず合格できますよ!レッツ、トライ!