中小企業診断士・二次試験勉強の成長ステップ
中小企業診断士の2次試験は、つかみどころがわからない試験といわれたりしています。
正答が公表される1次試験とは違い、2次試験は模範解答すら公表されないため評価基準が分からず、勉強しようにもしにくいのです。
二次試験の対策を進めると、何か変わってくることってありますか?
あるある!感覚的ですけどね。
答案をみると合格する人落ちる人はなんとなくわかりますね。
参考 2次試験の概要と試験対策
2次試験の具体的な勉強方法は上記の記事をご覧ください。この記事では、先々をイメージしながら勉強できるように二次試験の受験生のレベルを4段階にわけて紹介します。
少々感覚的な話になりますが、独学者にとっては一つの目安になりますのでぜひ参考にしてみてください。
➀ 初学下位20%レベル
- 80分の制限時間以内にまったく答案を書けない
- 文字制限に収めた文章を書けない
- 細部にこだわり過ぎる
- 再現答案を書けない(再現率50%程度)
2次試験の対策をはじめた方のレベルです。二次試験の過去問や演習問題を解いてみるものの、あまりの出来の悪さに凹むところからはじまります。
「国語が苦手だから」「自分にはセンスがない..」とネガティブにならないでください。択一式の問題から、完全記述式の問題に変わるため...こういう壁にぶつかるのは一般的です。
はじめて解いたときは3時間くらいかかり、自分は2次試験に合格できない...と諦めかけました
この設問では何が問われているのか?と設問文分析をしたり、与件文を繰り返し読み、答案に書くべき要素がどのようにちりばめられているのか、基礎の勉強を徹底しましょう。
➁ 二次試験問題に慣れてきたレベル
- 制限時間以内に答案を書き終えられないことがある
- 答案の骨子を作るのに必死で、与件文を何度も読んでしまう
- キーワードを詰め込み過ぎで文章がおかしい
- 再現答案を書けない(再現率70%程度)
二次試験の対策が進み「80分以内に文字数制限通りに答案が書ける」ようになるとワンステップ上がっています。ところが、それでは二次試験に合格することはできません。
感覚値ですが...おそらく二次受験生の40%はこういう状態です
パッと見はそれなりの答案をかけているのですが、細かく見ると(採点すると)設問に対して正しく回答していない、キーワードを意識し過ぎて答案文章がおかしくなっているのが、このレベルの特徴です。
自分なりの解法が確立できるように、読む練習、書く練習を繰り返しましょう。
メソッドを教えてもらっても、使いこなし方は人によって違うから訓練あるのみです
➂ 合否ボーダーレベル
- 制限時間内に答案を書ける
- 設問要求でほぼ悩まない
- 設問解釈にはまると書けない設問がある
- 再現答案を書けるが少し変わる(再現率80%)
- 答案を書けたが不安で結果が気になる
二次試験対策の勉強が進み、ある程度自分なりの解き方が確立できているレベルです。本試験当日、得意な問題が出題されたときは合格できますが、悪く言えばば、運によって合否が左右されるレベルです。
感覚値ですが...約30%の受験生がこのレベルで本試験を受けています
ここで注意しないといけないのは、運によって合否が左右されるレベルであることです。ここで満足してしまうと成長が止まってしまいます。
「この設問はこれが問われているから、こういう回答を書くべきだ」など持論を持つことは大切ですが、凝り固まってはいけません。
もうワンステップ上に行くために謙虚に勉強を続け、次の絶対合格レベルにまで精進しましょう。
1年ストレード合格の人は全員この層だと思う。たまたま運が良くて合格できた思ってます..
➃ 絶対合格レベル
- 制限時間内に答案を書ける
- 設問解釈の時点でおおよそどんなことを書くかイメージできる
- 与件文を読みながら答案に使うべきキーワードを抽出できる
- 再現答案をほぼ確実に書ける(再現率95%以上)
- 上位20%以上に入る答案を書けたと確信できる
このレベルに到達すると、二次試験当時に欠席しなければ落ちることはありません。いわゆる「開眼した」といわれるレベルです。
感覚値ですが...約10%の受験生がこのレベルで本試験を受けています
ここで勘違いしてはいけないのは、絶対合格レベルというのは90点・80点など常に高得点を取る力ではありません。どんな問題が出題されても60点を死守できる力なのです。
2次試験の4科目を平均して60点とることができれば、十中八九上位20%に入ることができます。相対評価の試験といわれているので、間違いなく合格できるのです。
このレベルの層は、設問要求のパターン毎に、答案に書くべきサンプルが頭の中にある状態です。相当な訓練をした結果、自分なりの解法が確立できているのです。
私は2年目の模試でTOP3に入った時に開眼しました。事例Ⅳで初見の問題がでなければ合格できる自信はありましたよ
まとめ
2次試験対策を独学するのであれば、毎年合格者の答案を集めて分析している「ふぞろいな合格答案」シリーズを購入して、自分の書いた答案とを見比べるとよいでしょう。
ただし、独学で2次試験に合格するには相当な努力が必要だということはお伝えしておきます。
2次を解くためのメソッドだけを知りたいのであれば「スタディング(旧通勤講座)」や「診断士ゼミナール」、添削指導もしてほしいのであれば「MMC」「AAS」を検討するとよいかもしれません。
または、2次試験の合格を諦め、「養成課程」に進むというのも一つの手段です。
二次試験対策はたいへんですが、勉強したことが、そのまま実務に役立つので、ぜひ楽しみながら勉強を続けてくださいね