2次試験対策/事例2の勉強方法(マーケティング・流通)

中小企業診断士2次試験対策/事例2の勉強方法(マーケティング・流通)

2次試験の「事例2」の独学での勉強法について解説します。

 

事例2は「マーケティング」の問題です。他の事例と比べると読みやすく、状況が頭に入りやすいです。

 

最近ではグラフや表などが与件に含まれており、それに関する問題が必ず1問は出題されます。このグラフや表を解読できるかが、合否を分けるポイントです。

 

この記事では、中小企業診断士2次試験の事例2の解き方のコツと勉強方法について紹介します。

 

 

事例2の試験対策

事例Ⅱは、マーケティング・流通を中心とした経営分析・経営課題解決に関する事例です。

 

たとえば、景気の悪化や競争激化によって売上が低下してきている。こんな時、マーケティングの視点から何をすべきか...などが問われます。

 

SWOT分析などのフレームワークで整理したり、販路・商品企画・プロモーション・価格などマーケティングミックスの視点で具体的な施策を考えなければなりません。

 

事例2では何を問われるのか?

事例2は「マーケティング」の問題です。事例企業のターゲットを特定して戦略を提案することを求められます。

 

なじみのある小売業やサービス業を題材にすることが多いので、比較的イメージがしやすいですが、逆に色々と知っている業界だと、与件に記載されていないことも想像してしまい、回答の方向性が大きく逸れてしまうことがあるので注意してください。

 

あくまで、事例企業の事を考えた回答にしなくては得点になりません。

 

設問例

下記のように、市場特性について基本的理解力や分析力、クライアントの課題発見力や、中小企業診断士としての助言能力を問われます。

 

今後、B商店街はどのような顧客層をターゲットとすべきか。代表理事への助言内容を100 字以内で述べよ。

 

代表理事は、B商店街の魅力向上に向け、食品小売店の誘致が必要であると考えている。B 商店街はどのような食品小売店を誘致すべきか。当該食品小売店のマーケティング戦略と併せて、代表理事への助言内容を100 字以内で述べよ。

 

現社長は、介護付きツアーの客単価を高くすることを目指している。そのためには、どのような新商品を開発すべきか、もしくは既存商品をどのように改良すべきか。助言内容を 80 字以内で述べよ。

 

事例2で出題される企業の課題(代表例)

  • どのようなターゲットにすべきか
  • B社の強みを活かした差別化戦略は、具体的にどのようなものか
  • B社は経常、どのような効果を狙っているか

 

過去問は、(一社)中小企業診断協会にて配布されていますので、ぜひ一度ご覧ください。

 

 

 

事例2の解き方(コツ)

事例2の解き方は、「とにかく妄想しない事」です。あくまで与件文に書かれていることをベースに回答を書かなくては得点になりません。

 

自分が詳しい業界だと、ついつい「この業界は○○が課題だ」とか、「○○がした成功事例があるな」と思ってしまうかもしれませんが、そういった回答は大体間違っています。

 

あくまで国家試験なので、与件文に書かれている内容をしっかり押さえ、その内容に沿った回答にすることを意識することが合格の鍵となります。

 

 

与件文の読み方

事例2は事例1に比べて読みやすいです。

 

与見を読むときのポイントとしてはSWOT(強み、弱み、機会、脅威)を意識して読むことです。私の場合は、鉛筆で線を引きました。人によってはマーカーを使用したりしている人もいます。

 

好みによりますが、私の場合は色を付けてしまうと、他に重要で自分が線を引いていない部分について、気づくことが出来なくなるので黒の鉛筆で線を引いていました。

 

また、近年は表やグラフを読み取らせる問題が出題されます。グラフや表の内容によりますが、他と比べて多くなっているポイントは、なぜ多くなっているのかを考えましょう。

 

何かひと手間加えれば数字の特徴が出てくるものがあります。例えば、客単価を計算すれば、明らかに客単価が増減していたりします。これに気づくことが出来るかどうかで大きく異なります。

 

若しくは、与見分に書かれていることがあり、表+与件によって特徴が見えてくることもあります。

 

そのほかには事例の企業が持て余している資産や、商圏やターゲット層などの外部環境の変化も大切です。なぜ敢えて与件に書いてあるかを考えると何かしらの回答に使用する可能性が高いです。

 

 

設問分の読み解き方

事例2の設問はあまり深読みしなくても大丈夫です。「ターゲットは何か」などストレートに聞かれていることが多いです。

 

たまに気を付けなくてはならない設問は、「経営上」や「社長は」など、どの立場から見た問題なのかという事には注意しましょう。

 

解答の書き方

先ほども記載しましたが、とにかく「妄想しない事」が重要です。出来るだけ与件に書かれているキーワードを使って回答を構成しましょう。

 

それでも、たまに与件に書かれていないものを書かなくてはならないものがあります。そういう時には、すぐに書かず、他の設問を解いて、余っているキーワードを眺めてください。

 

それでも書けない時には与件に書かれていない事を書くしかないと思います。それくらい与件にしがみついた回答を心がけてください。

 

 

事例2の勉強方法

事例2は、静岡大学教授の岩崎邦彦先生が問題を作成しています。代表的な書籍で、「スモールビジネス・マーケティング」や「引き算する勇気:会社を強くする逆転発想」などがあります。

 

時間がある方はこれらの本を読んでみるのも良いと思います。内容は、小さい企業が大きな会社に勝つために、ニッチな強みに特化するといったものです。

 

この辺りも中小企業診断士試験の回答の方向性にはヒントとなるのですが、これに引っ張られすぎずに、あくまで与件内容に沿った回答を書いた方が良いと思います。

 

 

 

 

与件文チェック

事例2の与件文は、表やグラフの読み取りが最近は多く出題されます。

 

表やグラフが登場したときは必ずそれに絡んだ設問が出題されるので、対策をする必要があります。ある程度想定されるパターンは一通り覚えておくとよいでしょう。

 

過去問はもちろん大切ですが、TACなどの大手資格学校が作る演習をやってみるのも有効です。一度解いたら同じパターンが出てきた時にかんたんに対応することができるからです。

 

逆に、そこまで試験対策をしても対応できない問題は、受験生の大半が対応できません。その場合は救済処置がとられることが多くあるので、皆が取れる問題を確実に採れる力を付けましょう。

 

 

使いまわしのきくフレーズ

差別化、シナジー効果、顧客との関係性強化、「誰に、何を、どのように」という事を書く、地域貢献→関係性向上→売上向上の順番で繫がりを書くなどです。

 

 

設問分析

大まかな構成としては、1問目にターゲットを書かせることが多いです。それ以降の質問は、そのターゲットに対して、どのようなマーケティングが有効かを問われるパターンが多いです。

 

この1問目でターゲットを間違えると、それ以降の回答にも点数が付かない可能性があります。

 

私は、回答の書き方として、1問目のターゲットは回答用紙の横にメモをしておき、他の問題まで目を通して全体の方向性が決まってから書き始めました。

 

ターゲットは本当に合否に係わるところなので、慎重にした方が良いと思います。