独学するときの順番。効率よく勉強できる順序
独学で中小企業診断士試験に合格するぞ!と決めた後、1次試験って7科目もあるの?!と驚くことでしょう。
そこで気になるのが、「勉強する科目の順番」ですよね?
資格学校を使う場合はカリキュラムが組まれていますが、独学だったら勉強する順番も自分で考える必要があります。
1次試験は7科目あるのですが、効率よくできる順番はあります。この記事では、効率よく勉強できる順番について紹介したいと思います。
独学で最短合格を目指すための勉強の順番
中小企業診断士の難易度クラスの資格になると、勉強する順序も大切です。効率よく勉強して短期合格を目指しましょう!
1次試験7科目ありますが、大きくわけて、暗記系科目と理解系科目の2つがあります。
暗記科目は詰め込み型の勉強でもなんとかありますが、理解系科目はそうはいきません。公式や定義を暗記するだけでは問題が解けないからです。
- 暗記科目より理解系科目から勉強をはじめる
- 2次試験科目に繋がる科目の勉強を優先する
- 財務会計と経済学を同時期から勉強し始めない
具体的に一つの学習スケジュール例を挙げると以下のようになります。
- 企業経営理論
- 財務会計
- 運営管理
- 経済学・経済政策
- 経営情報システム
- 経営法務
- 中小企業経営・中小企業政策
大手資格学校の中小企業診断士カリキュラムもこの順番です
また、中小企業診断士を受験しようという気になっているけど、いつから(何月から)試験勉強をはじめるべきか...迷っている方は、「いつから中小企業診断士の勉強をはじめるべきか?」を一読いただいてから本記事を読むとわかりやすくなります。
独学で勉強するときの順番
これまでの勉強経験や、実務経験等によって多少順番を変えてもかまいません。
この記事では4段階に区切って、なぜその順番がよいのか?を詳しく解説します。
最初は、企業経営理論か財務会計
企業経営理論は、組織、戦略といった内容を学ぶ科目なので、ビジネス書が好きなビジネスパーソンにはとっつきやすい科目です。一方、財務・会計は簿記の勉強経験がない人にとっては苦しめられる科目です。
どちらの科目も2次試験に繋がる科目で、とても重要な科目です。
簿記の知識がない人は企業経営理論から勉強をはじめるとよいでしょう。簿記の知識がある人は企業経営理論か財務会計どちらから着手してもかまいません。
財務・会計からはじめるのが理論的にはベストなのですが、初学者にはおススメできません。
財務会計の勉強は道のりが長いので途中で挫折してしまうからです。まずは、とっつきやすい企業経営理論から勉強をはじめ、気分が乗ってきた頃から財務会計に着手するとよい流れが作れます。
次に、運営管理と経済学・経済政策
理解系科目の2弾です。財務会計の勉強で「やっぱり診断士無理かも...」と自信を失いそうになったところで、運営管理に着手するのが望ましいです。
運営管理はとっつきやすいので、「診断士の勉強楽しい!」とモチベーションが復活してくると思います。それと併せて、経済学・経済政策の勉強をはじめるとよいでしょう。
経済学は好き嫌いがはっきりわかれる科目で、苦手とする受験生が多い科目です。経済学は理解するまで時間がかかりますので、焦らず少しずつ学習をすすめていきましょう。
7科目もあれば苦手科目があって当然です。途中で挫折しないように順番を考えるのも大切ですよ
次に、経営法務と経営情報システム
理解系科目を一通り終えたら、次は暗記科目に突入です。
理系出身の方は経営情報システムがとっつきやすく、文系出身の方は経営法務がすんなりと頭に入ってくると思います。運営管理や経済学の学習状況によって順番を変えるとよいでしょう。
例えば、経済学で苦戦しているのであれば、得意な方から着手するといった具合です。
どちらの科目も暗記中心なので、学習時間に比例して得点力はアップしていきます。覚えやすい科目から優先して大丈夫です。
最後に、中小企業経営・中小企業政策
最後に中小企業経営・政策の試験対策として、暗記を進めます。
この科目は、毎年4月に中小企業庁から発刊される「中小企業白書」「小規模企業白書」から出題されるため、直前にしか学べないのです。
統計情報やグラフなど細かなところまで問われますが、出題される箇所は例年同じような論点なので、直前の暗記でも間に合います。
中小企業経営・政策は企業白書が発刊された後にはじめましょう。古い教材を使ってはいけません。
よくある疑問
独学するときの順番を相談され、順番について説明した後、いつも決まって質問されることがあります。
問題集はいつから解くべきか?
1単元毎に問題演習をやりましょう!
1単元テキストでインプットしたら、すぐに問題集でアウトプットするのです。インプット(暗記)とアウトプット(演習)を繰り返すことで、知識が定着していきます。
テキストで学んだ知識が身についているか確認する意味もありますが、本試験でどのように問われるのか、問われ方をチェックしていくのがポイントです。
試験で正誤判定をするためには「こういう知識が必要なんだ」「こういう覚え方でいいのか」というのがわかってくると、インプットの効率も良くなり、その結果学習効率が非常に高くなるのです。
演習問題は過去問をリメイクしたり、ベースにて作問されているので、基本的に過去問も同じです。
問題演習に入る前に「中小企業診断士・過去問の使い方と注意点」の記事を熟読することをおすすめします。
一通り勉強を終わらせる、とはどの程度定着したことを指すか?
「とりあえず一通り勉強した方がいい」と聞くけど、どれくらい勉強したら一通りになるのかがわからないかもしれませんね。
目安としては、1科目あたり2~3週間、時間にして約30~50時間くらいでテキストと問題集を一回転しましょう。これが一通りです。
感覚としては、「その科目の全体像はわかったけど、まだ全体的にうる覚え...」というレベルです。
「中小企業診断士・一次試験勉強の成長ステップ」で詳しく書いたように、2回転目、3回転目と繰り返し勉強することで知識が定着していきます。
2回転目以降は、1回転目ほど時間はかからないので、騙されたと思ってやってみてください。
1科目ずつ勉強する方がよいのか?
一般的に、1科目ずつ勉強をはじめますが、複数科目を同時並行で学習していきます。
たとえば、最初は企業経営理論を勉強し始め、3週間くらい経ったところで財務会計の勉強もはじめるといった具合です。
1科目ずつ集中して勉強してもよいのですが、途中で飽きてきたり学習効率が低くなりがちです。苦手科目だったりするとモチベーションが低下してしまいます。
この科目を2時間勉強して、もう一つの科目を1時間勉強するなど、ある程度時間割を組んで勉強する方がメリハリがあって、効率よく勉強できます。
「中小企業診断士・最短合格するための15の秘訣」の記事で、効率よく勉強する方法を紹介していますので、ぜひご一読ください。
順番に勉強すると、最初に勉強した科目を忘れないか?
上記で説明したとおり、1回転目の学習では知識は定着していません。きっと忘れると思いますが、それは普通です。
2回転、3回転と繰り返し学習をしていくと、断片的だった知識がつながり一気に理解が進み、知識が定着して忘れにくくなります。
本試験が近づくにつれ、1日で復習する科目を増やし、1日で3科目4科目と復習できると、1次試験はほぼ合格できるレベルに達するはずです。
復習方法については「1次試験を絶対に合格するための復習方法」で詳しく解説しています。勉強をはじめてから是非役立ててください。
絶対的な勉強時間も大切ですが、勉強する順番、勉強の仕方で、学習効率が大きく変わりますよ。常に考えながら勉強しましょう!