中小企業診断士の維持費
中小企業診断士に合格した後の維持費を気にして、受験を躊躇っている人って多いよね?
他の仕業資格に比べると、中小企業診断士の維持費は安いんですけどね
本記事では、「中小企業診断士の維持費用」について、はじめて登録する場合、更新する場合の具体的な費用について詳しく解説します。
取ってもお金がかかるから...と受験を迷っている方にもぜひ読んでいただきたい内容になっています。
初回登録にかかる費用
2次試験に合格し、はじめて中小企業診断士に登録する時にかかる費用です。
一般的な費用 | 安く済ませる | |
---|---|---|
実務補習 | 15万円 | 0円 |
診断協会入会 | 約3万円 | 0円 |
診断協会会費 | 約5万円 | 0円 |
合計 | 約23万円 | 0円 |
中小企業診断士2次試験に合格してから、15日間の実務補習を経て登録し、中小企業診断協会に入会するのが一般的な流れです。
15日間の実務補習と、診断協会入会が必須と勘違いしている方が多いのですが、実は任意なのです。
つまり、やり方次第では0円で中小企業診断士に登録することができるんです。中小企業庁に郵送する費用だけ。
① 協会に入っていなくても名乗ることができる
中小企業診断士は他の士業と違い、中小企業診断協会に入っていなくても名乗ることができます。つまり、協会入会は任意なのです。
中小企業診断協会に入るメリットがあると思えば入会すればよいですし、メリットを感じなければ入会しなくてOKです。診断協会に入会していないからといって、マイナス方向に働くことはありません。
- 多くの中小企業診断士と知り合うことができる
- 診断協会主催のイベントや研修、勉強会に参加できる
- 診断協会や他の会員から仕事を回してもらいやすくなる
② 実務従事が証明できれば、実務補習への参加不要
2次試験に合格した後、実務補習を経て正式に中小企業診断士に登録することができます。
実務補習とは、指導員の指導のもと実際に企業に対して経営診断・助言を行う補習のことです。
実務補習を受けるためには、受講料15万円が必要になります。また15日間拘束されてしまうため、中小企業診断士試験の受験そのものを躊躇う方もいることでしょう。でも実は、実務補習も任意なのです。
自分で対象企業を見つけて、実務に従事すると0円で済ませることができるので、それで登録要件を満たすことができます。つまり、必ずしも実務補習を受講する必要はないのです。
- 対象企業を手配してくれる
- 同期の知り合いが増える
- 正規の診断・助言実務を体験できる
- 指導員(先輩診断士)がサポートしてくれる
念のため補足すると、診断協会に加入するメリットも実務補習を受けるメリットもあります。
でも、中小企業診断士の資格の維持費がネックで、中小企業診断士試験にチャレンジを躊躇っているのであれば、、協会非加入、実務補習不参加を考えてもよいかもしれません。
維持にかかる費用
続いて、中小企業診断士の資格を更新するためにかかる費用です。5年に一度の更新ですが、わかりやすいように年間の維持費で紹介します。
一般的な費用 | 安く済ませる | |
---|---|---|
理論政策更新研修 | 6,000円/1回 | 6,000円/1回 |
診断協会会費 | 約5万円/年 | 0円 |
実務従事 | 約5万円/6日分 | 0円 |
合計 | 約11万円 | 6,000円 |
5年に1度の更新なので、5年目に5日研修を受けたり、30日の実務従事をしてもかまいませんが、この記事ではわかりやすく1年平均にしています。
① 理論政策更新研修は必須
全国各地の診断協会が主催する研修でも、中小企業庁登録研修機関が主催する研修でも、ほぼ6000円です。この理論政策更新研修にかかる費用は、どう足掻いても節約できない必要費用となります。
運転免許証を更新するときに受講する眠たくなる講座ではなく、.中には本当に勉強になる研修もあるので楽しいですよ。
- 飲食店のコンサルティング/補助金活用の実態
- 診断士が知っておくべき、創業融資を活用するためのノウハウ
- 人材を確保するための組織マネジメント講座
- 「ビジネスデータ分析」超入門
- 士業の為の戦略的Webマーケティング実践講座
- 経営力強化につながる知的資産経営の進め方
- 飲食店の経営改善コンサルティングスキルアップ
- グローバル化支援コンサルティング業務
ちなみに、研修に行く時間がない場合は、理論政策更新論文といって与えられたテーマの論文を提出する方法もあります。10,000円かかりますし、論文を書く時間も必要になるため、お金と時間の節約にはなりません。
② 実務従事は自分で対象企業を見つければO円
独立している方は、クライアントから証明書に署名・捺印をもらえれば、何ら問題なく実務従事の要件を満たすことができるため、実務従事の要件は何も心配する必要はありません。
一方、会社勤めしている診断士(企業内診断士)は、日々企業のコンサルティングをしていないため実務ポイント集めには苦労します。実務従事を斡旋しているところを利用すると、5万円くらいで受講できます。(※実務補習と同様に指導員がつきます。)
実務従事の機会を得るためにお金を払いたくないのであれば、自分自身で対象企業をみつけて、診断・助言実務を行い、クライアントに署名・捺印もらえば費用はかかりません。
中小企業にコネがなくても、知り合いの中小企業診断士にお願いしてみると、紹介してくれる場合もありますよ。
既に中小企業診断士なのですから、本来働いた対価をもらってもよいと思いますよ
中小企業診断士の維持費まとめ
他の仕業の維持費との比較
これまで、英検や簿記など検定試験を受けてきた方は、資格に維持費がかかるのか...と驚いた方がいるかもしれません。
でも、士業の中では中小企業診断士の維持費は安い方なんですよ。社会保険労務士、行政書士、税理士と比較すると以下のようになります。
登録料(講習) | 協会入会 | 協会年会費 | 補足 | |
---|---|---|---|---|
社会保険労務士 | 13万円 | 54~15万 | 4~10万円 | 協会必須 |
行政書士 | 6万円 | 20万円 | 7万円 | 協会必須 |
税理士 | 11万円 | 3~5万円 | 10~15万円 | 協会必須 |
中小企業診断士 | 15万円(任意) | 3万円(任意) | 5万円(任意) | 理論研修6千円 |
冒頭でかんたんに触れましたが、社労士、行政書士、税理士といった難関国家資格は合格後、協会に加入しなければ名乗ることができません。
大企業や税理士法人、監査法人に勤めている場合は、維持にかかる費用を負担してくれる場合もありますが、会社負担がなければ独立して稼ぐ以外に道はありません。
その点、中小企業診断士は協会加入も任意のため、会社勤めしながら中小企業診断士を名乗り、副業をすることもできるのです。これも中小企業診断士がビジネスパーソンに人気の理由の一つです。
中小企業診断士の維持費は十分安い
- ビジネスについて体系的に学べるから...
- MBAの学位よりも国家資格がほしいから...
中小企業診断士試験を受験する動機は様々あると思いますが、なぜ、中小企業診断士の資格を取ろうと思うのか?を改めて考えてみるとよいと思います。
中小企業診断士の資格を取ったからといって、すぐに退職して独立しなければいけないこともありません。勢いで独立してもなんとか稼ぐことは可能ですし、今の会社に勤めながら副業をするという手もありますし、定年退職後に独立開業する手もあります。
参考 中小企業診断士の年収
中小企業診断士の資格を取ると、さまざまな選択肢が手に入れることができます。こうした選択肢を持てることで、余裕が生まれますし、チャレンジもしやすくなることでしょう。
更新要件や維持費で「ウッ」と躊躇っている方は、冷静に将来的なことを考えて、受験を検討してみてください。
中小企業診断士の受験を検討している方へ
中小企業診断士の試験制度や具体的な対策については、以下のページをご覧ください。
独学で中小企業診断士を目指そうとしている方は、以下のページをご覧ください。
資格学校や通信講座も検討している方は、資格講座一覧に、有名どころの講座を詳しく解説していますので参考にしていただければ幸いです。