2次試験対策・書き方のコツ

中小企業診断士2次試験対策・書き方のコツ

 

ゆみ

 

2次試験対策は予備校によっても教え方がバラバラだけど、コツってあるの?


 

かず

 

あるといえばあるよ。コツというか、本質的なところ。


 

本記事では、「中小企業診断士・2次試験の書き方のコツ」について、よく陥る罠と翌年確実に合格するために注意すべき点について詳しく解説します。

 

1度受験して、B評価だった方に特に読んでいただきたい内容になっています。

 

B評価だった人が陥る罠

 

中小企業診断士2次試験を受験して、B評価をもらったということは、一通り2次試験の勉強ができていて、80分以内にそこそこの答案を書ける状態になっているということです。

 

B評価は不合格ですので翌年に向けて、再度2次試験対策を行う必要があり、多くの方は以下のような勉強をします。

 

  • 知識が足らないと反省して、勉強範囲を広げる
  • 事例数が少なかったと反省して、とにかく事例問題をこなす
  • もっとキーワードを詰め込む方法はないかとテクニックを探す
  • 今までの考え方・やり方を否定して、違う方法を模索する

 

端的にいえば、これはD評価・C評価だった人がする勉強であって、B評価の人がすべきことではありません。

 

かず

 

採点する側の立場にたって、自分に何が足りていないのか、じっくり見つめなおしましょう。


 

 

① 採点者の立場から自分の答案を見ることの重要性

 

中小企業診断士の2次試験(筆記)は、設問に対してすべての論述形式で答案用紙に書かなければいけません。

 

題意を外さないなど基本的な内容もさることながら、採点者がわかりやすく、きれいな答案を書けるスキルがとても重要です。

 

なぜか?

 

2次試験本試験は毎年約4000人受験します。つまり、採点者は膨大な答案を読んで採点しているということです。

 

採点者が何人いるのか、どこで誰が採点しているのかは様々な噂がありますが、超少人数で採点しているのは間違いありません

 

たとえば、100人分、500人分の答案用紙をドサッと渡されたとしますよね。はっきりいって読むだけでも大変です。ましてや採点するのであれば、さらに大変な作業なのです。

 

かず

 

「汚い字だな」「これじゃ読めない」「だるいなぁ」「この回答は何が言いたいの?」...こうなるのが人間です。


 

10人分の答案を採点するならば、汚い字や分かりにくい表現があったとしても、採点者は何とか読み取ろうと努力しますが、100人分・1000人分となるとそんなことはしていられません。

 

受験生からすると、答案の見た目じゃなくて、本質的なところを評価してほしい...と思うかもしれません。でも実際、何百枚もの答案を採点をしていると、多かれ少なかれ私情が絡んでくるとみて間違いないでしょう。採点者も人間ですからね。。

 

ゆみ

 

それって、かずの憶測だよね?本試験でも本当にそうなのかな?


 

かず

 

模試や答練の答案をみてる限り、本当に読めないような汚い字で書かれた答案とかもありますよ。採点基準にはなくても、影響していると思ってた方がよいと思うよ。


 

 

② 同じような内容でも、わかりやすい書き方かどうか

 

同じような内容を回答しても、わかりやすいか、そうでないか、これもとても大切な要素だと思います。

 

80点の答案と不合格の答案では明らかに差があるのですが、60点と58点の答案にはあまり差がありません。2点差だから当たり前なのですが、そこで合否が別れているのも事実です。

 

2次試験の得点分布は公表されていないので、あくまでも個人的な見解になりますが、本試験は60点前後の点数を取る人がとても多いはずです。

 

つまり、60点前後の答案は書いてある内容・レベルはほとんど一緒と考えてよいでしょう。その拮抗する中で、合否の差がでてくるのは、わかりやすいか、わかりにくいか、それくらいの違いなのです。

 

ゆみ

 

これ本当?わかりやすいか、わかりにくいか、たったそれだけなの?


 

かず

 

確実ではないけれど、ほぼ間違いないと思うよ。でもその1点、2点を詰める訓練をしている人が少ないのよ。


 

たとえば、おすすめの教材で紹介した2次試験対策のバイブル本の「ふぞろいな合格答案」をみるとわかりやすいと思います。

 

 

合格答案とB答案...見比べるとわかると思います。書いてある内容にそんなに大差はないはずです。言われてみたら、合格答案の方がちょっと上手くまとまってるかなー。とか。

 

だから「どうして私は不合格で、この答案は合格なんだろう。理解ができない。どうやって対策をしたらよいかわからない」って悩んでませんか?

 

そこで多くの方が、先ほど挙げたように対策をはじめるのです。

 

  • 知識が足らないと反省して、勉強範囲を広げる
  • 事例数が少なかったと反省して、とにかく事例問題をこなす
  • もっとキーワードを詰め込む方法はないかとテクニックを探す
  • 今までの考え方・やり方を否定して、違う方法を模索する

 

不合格の事実を受け止めて、改善して、勉強すること自体は間違ってはいません。でも上記のような改善は、C評価、D評価をもらった方なのです。

 

B評価だった人は、あとほんのちょっと...で合格答案だったのです。詰めが甘かったわけなので、根本的なところを変える必要はないのです。

 

ゆみ

 

それが、わかりやすさ、とか、綺麗に書くということ?


 

かず

 

そう。まず、そこから改善した方がいい。基礎の基礎をしっかりと押さえる勉強をした方が合格しやすいということを伝えたいわけよ


 

ゆみ

 

冗談でしょ?


 

かず

 

だって2次試験に何度も落ちる人って、考えすぎている人が多くない?知識は多くて凄そうなんだけど、なぜか受験生のまま...。そういう人多いでしょ?


 

ゆみ

 

あ¨それ...昔の私かも?笑


 

そうした課題に対して、アドバイスできるのは3つです。

 

 

B評価の方の2次対策方法

中小企業診断士2次試験対策・書き方のコツ

 

B評価だった人がまず改善すべき箇所
  1. 綺麗な字で書く
  2. わかりやすく、読みやすい文章を書く
  3. 確実に6割取れる内容を書く

 

B評価だった方は、大きく何かが欠如していたわけではありません。

 

知識の補充をしたり、新たな解法やメソッドを探す前に、まず基本的なところから改善しましょう。なぜ重要なのか理由と対策を一つずつ説明していきます。

 

 

① 綺麗な字で書く

かず

 

綺麗な字、丁寧な字は印象が良いです。


 

模試や答練の答案を見ていると、うんざりするような汚い文字の答案が意外と多いのです。年齢が高い方、男性はその傾向があります。

 

文字の綺麗、汚いが採点基準に入っているか定かではありませんが、汚い字は不利に働くと考えておきましょう。

 

汚い字は、採点者の心証を悪くしてしまう可能性が高いですし、読めない字は読まれず加点されない場合も考えられるからです。

 

これをチェックするのはとても簡単です。

 

家族、友人に見てもらいましょう。字の上手い下手ではなく、「汚すぎるよね...」という反応があったら危険信号です。

 

丁寧に書くと時間がかかるのもわかりますし、わかっていてもすぐには変えれないものです。日頃から早く、丁寧に書くように心がけて、少しずつ改善してきましょう。

 

綺麗に書いたから加点されるわけではありません。減点される可能性が高いのです。

 

 

② わかりやすく、読みやすい文章を書く

かず

 

読みやすい文章であることが大切ですよ


 

2次試験では自分の考察の深さや広さをアピールしようと、立派な文章を書こうとしてしまいがちです。立派な文章を書こうとするあまり、文章が崩れている方が多いのです。

 

もっと肩の力を抜いて書きましょう。玄人向けに書くのではなく、素人が読んでもわかりやすいように書くのがポイントです。

 

2次試験の答案は、いわば中小企業の経営者に向けたレポートなのです。知識を振りかざすのではなく、簡潔にわかりやすく書く方が効果的なのです。

 

ポイント 具体的な方法
一文を長くしすぎない 40文字程度で区切る。(200文字なら40文字×5)
目的を先に書いて、手段を書く ~するために、~する。
必要以上に詳細な内容を書かない 「省いても伝わる内容が変わらない文」=「不要な部分」
書きたいことを詰め込み過ぎない 時には、ひとつ減らしてわかりやを重視して書く

 

上司に対して、ウダウダ説明しないですよね?ごにょごにょわけのわからない報告をしてくる部下はめんどくさいですよね?

 

「こうだからこう。」「これが原因だからこうする。」と的確に書いた方が、わかりやすく伝わりやすいのです。

 

 

③ 確実に6割取れる内容を書く

かず

 

6割取れればいいんですよ。その代わり、どんな問題でも絶対に。


 

中小企業診断士試験は、合格か不合格かだけです。合格順位がその後のキャリアに影響することはありません。100点で合格しても、60点で合格しても同じなのです。

 

さて、60点と聞いてどういう答案かわかりますか?

 

60点答案のニュアンス
  • だいたい合ってる。
  • まぁまぁできてる。
  • 方向性は間違っていない。

 

こういうレベルです。与件文を読み込んで、分析して、ロジカルに整理して...などと力まず、全体的に方向性は間違っていない答案を確実に書けるようになればよいのです。

 

ゆみ

 

確かに60点ってそれくらいかも


 

かず

 

でしょ?だから絶対解を追求したり、かっこつけて書こうとする必要なんてないんですよ


 

2次受験生の上位2割に入らなければならない!しっかりと勉強してきたからアピールしないと!と力み過ぎて、考えすぎるとこうした本質を忘れてしまいがちです。

 

基本に忠実に、問われたことにシンプルに回答すればよいだけなのです。

 

 

 

2次試験・書き方のコツまとめ

 

B評価をもらえるということは、80分以内にある程度の答案を書けるレベルに達しているということです。あとは詰めの問題です。

 

テクニックを追及したり、事例問題を深く考察する...ことも大切ですが、まず基本を振り替えましょう。

 

  • 採点者が採点しやすい答案を書くにはどうしたらよいか?
  • 頭でっかちになって、わかりにくい文章になっていないかどうか?

 

基本中の基本のところから見直し、しっかりと考え、改善するように心がけましょう。

 

 

ゆみ

 

かずくんに教えてもらってたら、私も養成課程に進まなくても、2次試験を突破できてたかもしれない(笑)


 

かず

 

予備校は、難しく教える傾向があるからね~。何十万も払ってる人に「綺麗に、わかりやすく書きましょう」だけだとクレームになるから、難しく教えてしまうんだよね~